小学生の頃行ったキャンプでの話

そのキャンプは小学生とかが集まって
3泊くらいキャンプファイアーとかテント建てたりして
遊ぶような感じのものだったと思う

もちろん知らない子同士ね。

正直いって今でも出来事は覚えてるけど
そこで出来た友達とかの顔はそこまで覚えていない。

これから書くある事件(?)の発端の子の顔はもちろん覚えてるけど。

ちょっと長くなります

その日の夜は
テントの組み立てをキャンプをしきってくれる
お姉さんやお兄さん達としてました。

子供達は器具を運んだりじゃれたりしていて
あんまりテント建てを手伝ってるようではありませんw

そして遊んでる私たちのところに
キャンプのお姉さん(お兄さん?まどっちでも)が来て
怖い話教えてあげると言ったので、
もちろん私たちも食いつきました。

お姉さんが話したのは以下のような話です
(うろ覚えだからちょっと脚色した)

「昔ここの近くに『たしで荘』という宿がありました。
ある時若い女の人と男の人がドライブをしていると、
楽しく話しているうちに森の中で迷ってしまいました。
どうしようと困っていると進んでいる方向に明りが見えます、
『きっと誰かが住んでいるんだ』と思った二人は車をとめ、
明りの見えるところまで歩いて行くと
『たしで荘』という看板が見えました。
そう、二人に見えたのは宿屋だったのです。
二人は宿主に泊めてもらうようお願いしようとしましたが、
ロビーにも食堂にも人一人いませんでした。
明りはつけっぱなしなのに。
すると女の人はトイレに行きたくなったので
『トイレだけ借りてくる』と
食堂の傍にあったトイレに入っていきました。
その間男の人はその荘の至る所を探しましたが
宿主どころかとまっている客は一人も見つかりませんでした。
10分ほどたったでしょうか、
女の人はトイレから戻ってきません。
不思議に思った男の人はトイレをノックしましたが
返事はありませんでした。
もう一度ノックするとドアが開いたので扉をあけて中を見ると、
なんと女の人が血だらけになって死んでいたのです。
男の人が慌てて駆けつけると、
上からオノが降ってきて首が切られてしまいました。」




 その話を聞いて私も周りの子も
うわーこえーみたいな感じでしたが、
その後お姉さんが言った言葉にショックを受けました

「この話を聞いたある女の子がね、交通事故で死んだの。」

私含め聞いてた子供達は
え・・
ってなった。

それじゃ・・て。

「その子だけじゃないよ、
他にもこの話の謎を聞いた日のうちに
解けなかった子は・・」

死んだ・・って

エエエエエエェェ

もう子供達はプチパニック

なんでそんな話したの!
ってお姉さんにあたったりもしたけど、
お姉さんは答えを教えてくれない。

まあこれを読んでいる人たちは
この話の種なんてすぐにわかると思うけど、
私たちは皆でなんだろう!早く謎を解かないと!って試行錯誤して
やっとわかったのね。

私もわかったし、わかんない子には教えて、
さあお姉さんのところへ!となったんだけど、
一人だけ自分で考えてもわからなくて、
しかも教えてもらえない子がいたんです。

小学1か2年生くらいで、
まあ幼い子だったのでわざと教えずに
からかっていたんです。

その子は本当に心配そうにしていました・・

そりゃそうだよなー
死ぬなんて思ったら・・

でも皆その様子が面白くて
どうする?どうするの?と言ったりしておいうちかけたり・・

そのうちこの際だからもっと面白いことさせようと思って

「死なないようにするには逆立ちで4歩歩くんだよ」

と教える企画が浮上。

その男の子は運動神経悪そうだから到底できるわけない。

だからしばらく男の子が逆立ちに苦戦した様子を見た後に

「うそでした、たしでそう」

と言ってあげる作戦をすることにしました。

男の子は案の定もう一心不乱に逆立ちしようとしてた。

皆笑いをこらえてその様子を見てる・・

一旦脚があがってもすぐ落ちちゃう。

顔は涙でいっぱいで・・

同情もあったけど
やっぱりその時は面白くてただただ見てた。

ここで注意したいのは、
ちゃんと芝生のところでやらせたってこと。

しばらく様子を見てたら
なんとその子が逆立ちで1歩進んだ。

「おおお」

と皆で驚いた・・

後にぶわって進んでる方向に男の子の体がシフト!

あぶない!と思ったら
ちゃんと男の子の足が地面について、
ブリッジみたいになったからホッとした

そしたら一緒に見てた子が急に叫び声をあげる。

ほんの一瞬の光景だったけど確かに見た、皆見てた。

なぜかブリッジした男の子の首の下に
オノの先が置いてあった。

男の子はただ力を抜いて、
全体重を芝生におろした。

皆びっくりしてた、私もびっくりした。

急いでその子の近くにかけつけたら
首から血は・・・出てない、
けど、白目向いてる。

大変だ!大変だ!って
皆で男の子の体をもって大人達のところへ運んびました。

結局その子はちゃんと生きてました、
皆で謝りましたよちゃんと。

逆立ちのことも嘘だよって謝りました。

その後キャンプも順調で皆無事に解散できました。

ただ、あのオノは確かに見た。

オノもきっとあったんだと・・思う。

だって男の子は頭を打った形跡がなかったから、
なぜ白目をむいたのかもわからなかったけど
私たちは心の中できっとあのオノが・・オノのせいで・・
と確信していた。

芝生にオノは残ってなかったけど・・

私たちは無意識だったけど、
今思えば逆立ちの事は嘘といったけど
あの話のことは「たしでそう、うそでした」とは言ってない。

だってオノはあったから、
話はうそでした、じゃないかもしれない。